第11回労弁東京支部総会・講演会開催
[News] 2023/01/24
2023年1月20日、東京支部の総会を開催しました。
水口支部長からの支部長挨拶、佐々木本部幹事長からの本部報告の後、大久保事務局長より支部の活動報告及び活動提案を行いました。
また、2011年から2021年までの東京地裁労働裁判例を一覧化する活動の紹介も行われました。
2023年、東京支部は、水口支部長、大久保事務局長、事務局次長13名の体制で労働者の権利のために活動していきます。
さらに、第二部として、山田康成弁護士(第二東京弁護士会)に、「フリーランス・トラブル110番と今後のフリーランス保護政策の問題」のテーマで講演いただきました。
フリーランス・トラブル110番とは、第二東京弁護士会が厚生労働省より委託を受け、厚生労働省、内閣官房、公正取引委員会、中小企業庁と連携し、雇用類似の働き方をする人のための相談窓口として開設されたものです(2020年11月発足)。
紛争解決のための相談に全面的に弁護士が関与している点、和解あっせん(ADR)が導入されている点に特色があり、20~40代の働き盛りの世代の相談が多く、業種としては配送関係からの相談が多いとのことです。
また、報酬の支払い、契約内容に関する相談が5割強を占めるものの、発注者は自由に契約を解除できる一方で、フリーランス側は自由に辞めることができない、辞めようとすると受注者から損害賠償請求がなされるなど、発注者とフリーランスのパワーバランスに起因する相談も見受けられるとのご指摘がありました。
報酬後払いということに加え、労働者と同等の待遇、労働状況にもかかわらず、労基法の適用がなく保護されないという問題があるとのご指摘がありました。
以上の動向を踏まえて、山田先生はフリーランス保護新法の整備だけでなく、現在の働き方に即した労働者性の判断基準の見直しが必要になってくるとご教示いただきました。
山田先生の講演を通して、ウーバーやギグワークなど新しい働き方が進んでいる今だからこそ、フリーランスをめぐる実務状況を把握する必要性を実感しました。
弁護士杉尾綾(旬報法律事務所)