7.27労働事件検討相談会(長澤運輸事件等)
[News] 2016/07/28
*写真は、長澤運輸事件弁護団の花垣在彦会員(東京共同法律事務所)
労働弁護団東京支部では、定期的に、会員弁護士が担当した事件についてお互いに検討・相談をする機会を設けています。意義ある判決についての知識を共有したり、自分の担当している事件について相談することで新たな視点を得たりと、会員同士の知見を高めるのに役立っています。
昨日検討した一つ目の事件は、主に、賃金減額の4ヶ月後になされた退職の意思表示による退職が会社の退職金規程上の会社都合退職に当たるかが争点でした。賃金減額に不服であることを理由とする退職が、自己都合退職ではなく会社都合退職に当たらないか検討しました(報告者:河村洋会員(第一法律事務所))。
二つ目の事件は、最近業界を賑わせている(?)「長澤運輸事件」で、定年退職後再雇用され、それまでと全く同じ内容の業務を行っている嘱託社員(有期契約社員)と正社員との賃金格差が、有期労働者と無期労働者の労働条件に不合理な相違を設けることを禁じている労働契約法20条に反しないかが争点でした。同条に反するとした一審判決がどのような意義を持つのかを検討しました(報告者:花垣在彦会員(東京共同法律事務所))。
また、長時間労働が原因で精神疾患を負ってしまった労働者について、労災を得た上で、さらに使用者に対して損害賠償請求訴訟を起こすことを検討している会員から、その際の留意点について相談がありました。
私個人としても非常に勉強になりましたが、質疑や意見交換を通じて新たな発見も生まれ、支部全体のレベルアップのためにも非常に充実した検討相談会となりました。今後も継続して参加しようと思います。
弁護士 市橋耕太