2018.7.17 連合東京との交流会・懇親会
[News] 2018/07/24
7月17日、連合東京と日本労働弁護団東京支部との交流会・懇親会が開かれました。
2013年以来、毎年開催しており、今年で6回目の開催となる企画で両団体から約30名が参加しました。私も、この数年、毎回参加しております。
例年、交流会ではテーマを設けて、意見交換を活発に行います。
今年の交流会のテーマは「職場のパワハラ防止の法制化」でした。
2012年3月には、厚生労働省の「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議」がとりまとめた「職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた提言」において、パワハラの定義がまとめられています。
しかし、「いじめ・嫌がらせ」に関する労働局等に設置されている総合労働相談センターへの相談件数は増加傾向にありますし、弁護士に対する法律相談においても、パワハラの相談はここ数年でも増えているように感じています。
このような状況においては、職場のパワハラを防止するための立法が急務であるということで、今回は、法制化に向けての取組みや労働組合の実践例、裁判例の傾向、日本労働弁護団としての提言の内容についての意見交換を行ってきました。
交流会では、まず、職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会に関する報告やパワハラ等が問題となっている事例の紹介がありました。
パワハラ防止の法制化に向けた取り組みが具体的に進めているなかで、どんな課題があるか、今後どのように法制化の動きを進めるかについての見解が示されていました。
また、セクハラの加害者が被害者の上司と結託して、被害者を配転した事例や、裁判闘争にもなっているセクハラ事例、パワハラの音声証拠がある事例など、様々紹介していただきましたが、どれもひどいパワハラ・セクハラばかりでした。
労働弁護団東京支部からは、旬報法律事務所の新村響子弁護士の報告がありました。
最近のセクハラの裁判例には、事後対応を適切に行わなかった会社に対する損害賠償も認められているケースが増えていること、適正な業務指導との線引きのポイントとして、どんな裁判例で違法になっているか、その要素についての考え方の紹介などがありました。
また、今年の3月、日本労働弁護団が出した職場のいじめ・嫌がらせ防止法の立法提言(第1次試案)の内容も取り上げるなどして、内容の濃い充実した交流会でした。
交流会の後、懇親会が催され、お酒を酌み交わしながらの意見交換や懇親もまた活発に行われました。
働くうえで職場内での人間関係というものは極めて重要な問題です。労働条件と並んで、働きやすさを決定づける問題だと思います。そのため、働きづらい環境を作るような加害行為は法律で禁止する必要がありますし、働きづらい環境があるのでれば、会社においても適切な措置を取って積極的に改善をする必要があると考えます。
パワハラ防止の法制化のみならず、その他の課題についても意見を交わすことができる貴重な場だと思いますので、今後も継続する企画であってほしいし、参加したいと思います。