東京地評との交流会について【9月26日開催】

[News] 2018/10/03

9月26日、東京地方労働組合評議会(東京地評)と日本労働弁護団東京支部(労弁東京支部)との交流会・懇親会を開催しました。

今年で6回目の開催で、東京地評からは10名以上、労弁東京支部から8名の弁護士が参加しました。

 

交流会では、労弁東京支部事務局の中村優介弁護士から「職場を変える秘密のレシピ47」(日本労働弁護団発行)の内容の紹介と今年4月にシカゴで開催されたレイバーノーツ大会に参加した感想についての報告がありました。

「秘密のレシピ」は、多数の方から好評をいただき、第1刷が完売し、第2刷の販売を開始しました。

レイバーノーツ大会は、2年に1度開催され、全世界から労働運動に関わる約3000名もの方が参加する大規模な集会です。

講義形式だけでなく、参加型のワークショップも多数あるなど、活発な議論が行われていたとの報告がありました。

中村事務局員の報告後、アメリカの労働運動に関する活発な質疑・意見交換が行われました。

 

その後、東京地評の皆さまから、組合が取り組んだ事件や東京労働相談センターに寄せられている労働相談、36協定に関する行政の動き等についてご報告いただきました。

特に首都圏青年ユニオンからご報告いただいた事例が印象的でした。

首都圏青年ユニオンが団体交渉をした会社から攻撃を受け、SLAP訴訟を起こされたという事例です。

労働運動を委縮させる狙いのSLAP訴訟に屈することのないよう、私も支援していきたいと思います。

 

労働組合と弁護士が協力して取り組んだ事件のご報告も印象に残りました。

労働組合と弁護士が4年以上にわたり会社と争い、最終的には、当事者も納得できる内容の勝利的な和解をすることができたそうです。

 

また、36協定については、そもそも36協定を締結していない会社が多数存在するという報告がありました。

このような状態を是正するため、今年7月から、労働局が「36協定未届事業場に対する相談指導事業」を開始しています。

労働局が3年間で約47万6000事業場を対象にアンケートを実施し、未届事業場に対して労基署が指導を行い、36協定の提出を求めていくという取組みです。

長時間労働を是正する目的で行われる取組みですが、単に会社に36協定の提出を求めるだけでは不十分です。

労働者側が会社から言われるがまま36協定を締結するだけだと、この目的を達成することは困難でしょう。

長時間労働の是正を実現するためには、労働者側が主体となって、会社側に労働時間の短縮の実現に向けて意見を述べることが必要です。

労働組合だけでなく、労働事件・労働運動に関わる弁護士も、36協定の重要性について積極的に意見を発信していくべきだと思います。

 

今回の交流会では、労働運動の現場で起きている実例について貴重なお話を聞くことができました。来年以降も、引き続き参加していきたいと思います。

弁護士 川口 智也(日本労働弁護団東京支部 事務局)

 

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