2021年1月29日 総会・記念講演のご報告

[News] 2021/02/04

2021年1月29日、東京支部の総会を開催しました。

井上支部長から支部長退任の挨拶、早田事務局長より2020年度の支部の活動報告及び今後の活動提案が行われました。また、引き続き早田事務局次長よりこの1年の東京地裁労働部裁判例の紹介が行われました。後記山崎先生の講演後には、新支部長に就任する水口洋介弁護士より就任の挨拶及び今後の労働運動全体に対する展望が語られました。

2021年、東京支部は、水口新支部長、早田事務局長、事務局次長12名(新任は72期の坪田優事務局次長)の体制で東京の労働者の権利のために活動していきます。

記念講演として、山崎憲明治大学准教授に、「コロナ禍と労働問題―進行する構造変化と対応―」というテーマにて講演していただきました。

近年、決済を上司から受ける直線型業務ではなくプロジェクトベースで案件が進むプロジェクト型業務が増えてきており、それに伴いプロジェクト型では処理できない会計や雑務業務等はRPA(≒AI化)やアウトソーシングされる傾向にあるとの指摘がありました。また、同時にAI導入によるプラットフォームビジネスの台頭と寡占、AIアルゴリズム運用の恣意性などの問題が起きる中、プロジェクト型から外れる「ふつうの人」をどのように長期的に保護していくかの視点が欠けていることの指摘もありました。

以上の動向を踏まえて、山崎先生は従来型の労働組合運動だけではなく、地域コミュニティと結びついた広い運動や経営参画を目指す運動など幅広いトータルの活動が必要になってくるとご教示いただきました。

地域コミュニティや経営参画に労組が関わることについては今まであまり考えたことがなかったのですが、山崎先生のご指摘を踏まえてデジタル化やAIが当たり前の社会になった後でも持続可能な労働運動に支部として関わっていくために何ができるか、議論し労働者の権利向上に繋げたいと思います。

弁護士藤原朋弘(事務局次長・中野すずらん法律事務所)